自由に楽しく分析して生きる道

超ポジティブな思想哲学:海外目線をからめてオチのある話を書きます。

もう一つ上の世界を見て、井の中の蛙を思う 2

美大


スペインの美大は、5年生で、他の専門学部とならんで、総合大学の敷地内の一角にあった。私は、週2回、デッサン(木炭画)と写真のクラスに通った。


デッサンは100名前後の大クラスで、男女のヌードモデルの好きな方を選んで、その周りでひたすらデッサンし、時折教授が生徒にコメントする。という形式だった。
だから、上手に書けていないと、というか、教授の目に止まらなければ、声すらかけてもらえない。たぶん、半年間で先生と話したのは、数分、数回?5回には満たないと思う。


だいぶ、ちがう。。。


うちの大学の授業では、多くても20名。平均的には、10名くらいかなあ。教授も自らお手本を見せてくれるし、当然に、100人と比較して計算すると生徒に書ける時間も10倍になる。なにより、アメリカは褒めて伸ばす文化だから、ヘタなりに、いいところをなんとか見つけて、いいね!いいね!と褒めてくれる。Wabi-sabi (意味違うでしょ!)(笑)


ついでに、アート教室が入っている建物に生息する美術学生そのものの数も知れていて、入り浸っている生徒は10?20名くらい?だから、教授も生徒も毎日顔を合わせる。私の年の美術の卒業生は、7名に対して、教授の数は、5名(デザイン、陶芸、写真&版画、油絵、美術史)だったから、贅沢な?経営成り立つのか?という環境だった。


だから、戻って、スペインの大学でのデッサンのクラスは、たくさんの絵の上手な人達の中で、日本で美大を目指したわけでもなく、小さい頃から絵を書いてきたわけでもない、なちゃってARTはじめました的な私の居場所はなかった。


とはいえ、この大勢の中から、何人が芸術家になれたのか、商業美術の世界に進んだのかはわからないけれど、私の就職はグラフィックデザイナーとしてできたし、同期にはその後、院に言って、一時期芸術家として活動していた人もいるので、結果の確率的には厳しい世界もぬるい世界も変わらないのかもしれない。


ちなみに、写真のクラスは、生徒数が半分の50名くらいで、やることも、美術と言うよりは実験的な課題が多く、例えば、箱とアルミホイルでカメラを作って撮影しましょう!とか。写真を現像してみましょう。とか、撮った写真の評論ももちろんあったけれど、ドローイングほど実力や結果に差は出なかったので、比較的、過ごしやすかった。今でも、カメラ用語はスペイン語が一番初めに思い浮かぶという副産物が。。。Profundo=Profound=深度 みたいな((笑)